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【医療訴訟】私は内科の開業医をしています。湿疹と診断してフォローしていた患者さんが、自分で大学病院を受診したところ、実は有棘細胞がんだと分かり、転移も発見されました。患者

2013. 10. 31

【Q. 質問】私は開業医をしています。数年前から半年に一回くらい皮膚にできた湿疹を見せに来る患者さんがいたのですが、軟膏を出して次の週に来るように言うと、毎回来なくなるので、てっきりそのたびに治っていたと思っていました。ところが、その患者さんが大学病院で検査したところ、その湿疹は有棘細胞がんだったことがわかり、転移も発見されました。患者さんは私を訴える予定とのことです。どうしたらいいでしょうか。


【A. 回答】ご相談のとおりであるなら、ある種の誤診であることそれ自体は、認めざるを得ないものと思います。しかし内科の医師が通常の湿疹と有棘細胞がんを鑑別することは必ずしも容易ではなく、早期に皮膚科専門医にコンサルトすべきだったとしても、患者さんにも、指示に従って受診しなかったという落ち度があります。誤診は誤診として認めたうえで、医師の側に法的な賠償責任があるのかどうか、また、賠償責任を認めるとしてそれは患者さんに生じた損害のどの程度なのかは、個別の状況に依存します。医学的な見地からの検討と同時に法的な立場からも検討を加えるために、早期に弁護士にご相談ください。


【解説】医療訴訟は、医師対患者の対立構造でとらえられ、「誤診を認める認めない。」「謝る謝らない。」という両極の間で語られることが多いように思います。しかし、医療は性質上一定の割合である種の過ちや予期せぬ結果を含むもので、過ちや予期せぬ結果が、賠償責任に直結するものではありません。またよく「裁判では謝ったら過ちを認めたことになる。絶対謝ってはいけない。」と言われますが、医学的事実を認め、医師としての職業意識に基づいて謝罪することと、法律的な責任を認め、賠償責任を負うこととは次元の違う話です。また患者さん、ご遺族にとっても、医師が道義的責任を認めて謝罪し、再発の防止に努めてくれることの方が、賠償責任よりも重要であることも多々あります。あざといようですが、そういった患者さん・ご遺族の要望に可能な限りこたえることが、事件解決後の医療機関・医師の評判の維持・回復につながり、長期的にはむしろ医療機関・医師の為になるという面もあります。
 医事紛争・医療訴訟の解決には、問題を、医療、法律、心情と言った複数の観点で切り分け、起こってしまったことへの賠償と再発の防止と言う別々の軸で対策を打つ、複合的対応・交渉が必要です。当事務所では、医療側における医事紛争・医療訴訟の解決にあたっては、冷静に事実を認め、患者さん・ご遺族の心情に配慮しながら、しかし他の医師の活動や今後の医療の為にも主張すべきことを主張することで、医師・医療機関にとっても、患者さん・ご遺族にとっても長期的に見て良い解決を図ることを旨としています。お一人で悩んだり、医療機関の内部だけで短視眼的に考えたりすることなく、是非当事務所にご相談ください。


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