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【一般民事】飼い犬が通行人に怪我をさせてしまった...法的責任は?

2012. 07. 09


【Q.質問】 飼い犬が散歩中に通行人に怪我をさせてしまいました。
飼い主はどのような法的責任を問われるのでしょうか。


【A.回答】 民法718条1項の「動物の占有者」として、損害賠償責任を負う可能性があります。

【解説】 民法718条1項本文は、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」と定めています。
一般論としては、犬の飼い主は、飼い犬が散歩中に通行人に噛みつくなどして怪我をさせた場合、この条文の適用により、当該通行人に損害賠償をする責任を負うことになります。


しかし、必ず責任を負わなければならないわけではありません。
民法718条1項但書は、「ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」と定めていることから、飼い主は「相当の注意」をもって飼い犬の管理をしていたことを証明できれば、損害賠償責任を負うことはありません。


ここでいう「相当の注意」とは、裁判例上、通常払うべき程度の注意義務を意味し、異常な事態に対応できる程度の注意義務まで課したものではないと解釈されています。
ただし、たとえば、飼い犬がふいに強い力で動いたためリードから手が離れその結果通行人に飛びついてしまった、といった事態は飼い主からすれば主観的には「異常な事態」でしょうが、今までの裁判例の傾向からすると、散歩中はリードから手を離さないよう注意を払うべきだったと判断されることが予想されます。
一方、ドッグランのフリー広場(犬を引き綱から外して、自由に走り回らせる施設)の中央部においては、飼い主を始め人間が立ち入ることは、危険な行為であり、異常な事態に当たるから、そのような事態を予見して、飼い犬の動向を監視し、制御することは必要ないというべきであるとして、当該広場の中央付近を突き切ろうとした者が犬と衝突し傷害を負ったという事案において、飼い主は「相当な注意」をつくしたとして、損害賠償責任を負わないと判断した事例もあります(参考:東京地判平成19年3月30日)。


このように、具体的な事例次第では、損害賠償責任の有無、程度は分かれます。
まずは、弁護士にご相談ください。